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設定メモ(3)

 作中に登場したFVは、コンパウンド・ヘリを想定しています。複合ヘリ、高速ヘリなどとも呼ばれているこの回転翼機は、通常のローターブレードに加え、別の推進システムを持っていることが特徴です。

 狭い場所でも離着陸可能で、滞空(ホバリング)できるという利点を持つヘリコプターですが、速い速度を出せないという欠点があります。フィクションの中では、「エア・ウルフ」のように音速を超えるヘリもありますが、現実では音速を超えることは不可能です。ローターの向きが変えられるオスプレイのようなティルトローター機は、ヘリの速度不足を補うという発想から生まれた航空機です。

 作中の機体は、JAXAが研究しているコンパウンドヘリに似せています。この機体は、メインローターの他に推進用兼アンチトルク用の電動プロペラを持っています。すでに模型では飛行に成功していますが、なにしろ日本ではこうした分野に予算が付かないので、技術が確立するところまでは行かないでしょうね、残念ながら。実際には、国土が狭くて山岳や島しょ部の多い日本こそ、高速なヘリコプターが必要なのですが。
 

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