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漫画原作小説コンテスト『無制限アンデッド』

_(´ㅅ`_)⌒)_ つらい。



 ついに了を打つ目処が立ったのでようやく近況ノートを書く気分にもなりましたが、いやはや。商業原稿の時だってこんなには苦しまなかったなぁってくらいに苦しんでおります。

 苦しむ要因は幾つもありますが、最大のものは、「漫画原作」という言葉に呪縛されすぎたこと。小説である以上に漫画であろうとしてしまったことがいけなかった。

 小説と漫画の大きな違いに、「地の文」の存在があります。漫画にも三人称的なモノローグが存在し、これが地の文に似た機能を持ちますが、漫画という表現の中では補助的な役割しかありません。漫画表現の主はキャラの動きでありセリフにあります。
 小説の地の文はより自由で表現の幅が広い。極端なことを言えば、小説の神髄、その一面は地の文にあるとすら言えるでしょう。

 本作の場合、漫画であることに囚われた末に、「漫画では存在しない地の文において、設定説明や状況解説を行わない」という基本姿勢になってしまいました。言い換えれば、「漫画という表現に変換しやすい形を取る」ことを選択したわけです。終わりかけた今にして思えば、これは漫画原作向けの作品というよりも、漫画表現の文章化(ノベライズには非ず)した作品であったなぁ、などと。



 _(´ㅅ`_)⌒)_ これがいけなかった。



 地の文で説明可能なことをあえてそうせずに、セリフによって行う。それにはかなりの(事前に予測したよりも手酷い)苦労がありました。

 第一に長い。長くなる。想定の1.5倍以上になった。もう五万字越えてる。それはエピソードや人物が多すぎたせいもあるけれども。
 小説における口語ってのは、特殊な設定を除けば本当の口語よりも長くなるのが常。しかも今回、主人公(ヒロイン)の口調がかなり独特なものであるため、長さにも拍車が。加えて、会話というのは受け答えであって、説明されるためには問いかけが必要になる。それだけセリフ=文章量がさらに増すことになる。

 第二に「自然さを出すのが困難」ということ。いわゆる「説明セリフ」という見苦しさをなるべく消して、会話の必然性の中で自然に出てきた言葉でもって、何も知らない読者に対しても必要充分な説明をする、という命題は実に困難でした。(果たせたとは言わない)



 次やるとしたら(皮算用ではなく、単にカクヨムないし別の場所でこの設定の長編を公表するのもアリかなと)、絶対こんなことしねぇ。

 まぁそんな_(´ㅅ`_)⌒)_ 捨てた文章の合計が、生き残っている本編と同じくらい発生したというコストパフォーマンスに劣る作品となりましたが、予定ではこの後、「急の四」から「幕切れ」という章構成で完結となります。ただ「急の四」が他の章の二倍以上の長さになっているので不格好ですわ……つーか今日だけで八千字くらい書いてるな。

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