• エッセイ・ノンフィクション
  • ミステリー

取材はします

 小説というのは、結局のところが嘘八百の作り話。しかし嘘の方にこそ、案外と真実が眠っているものなんだぞ、ってのが小説なんだと思っています。

 嘘をつき切るには自信が必要です。だから、その自信を得るために調査も取材もします。素人作家ではありますが、そこに問題を抱えたままだと、物語を最後まで書き切れなくなるので、結局はやらざるを得なくなってしまうのです。

 特にミステリーというのはその最たるもので、煎じ詰めると、たった一つの嘘と、その嘘の周辺にある世界観を支えるために、事実だけを積み重ねていく作業のように思います。
 だから大嘘を支えられるだけの、膨大な事実を得られる自信が有る分野以外は、手を出したくても出せません。
 なぜなら、書いていくうちに、いつか自信が破たんしてしまうからです。

『ホンファの一日』は、大手気象予報会社の社長、Iさんと、同社の気象予報士の方に構想を話し、書き終ってからまず読んでもらいました。そこで大いにあり得る話との回答をもらったので、公開をしました。
 もしも有り得ないと言われていたら、『ホンファの一日』は今頃、蔵の中です。
 因みに、この作品に出てくるライフ&ウェザー社はI社長の会社に敬意を表し、その社名をもじったもの。

 現在連載をしている『帝国への海図』は、元自衛隊のパイロットOさんに構想をお話ししました。Oさんのお父様はもうお亡くなりになっていますが、元自衛官で潜水艦艦長です。そのまたお父さん、つまりお祖父さまは、これまた旧日本帝国海軍の潜水艦艦長。
 Oさんとは取材というよりも、お酒を飲みながらの与太話でしたが、そこでお聞きした現場レベルの実話が、本作の中に色々とでてきます。

 Oさんからは、日本初のイージス艦『金剛』の艦長、Hさんも紹介していただきました。Hさんもさりげなく、本話の中に搭乗します。

 そうそう、その当のOさんですが、古参の戦闘機乗りで、F4Jファントムに長く乗り、F15イーグルを自衛隊が採用する際には、その選定に関わってアメリカでテスト飛行を重ねた方です。
 あの伝説のテストパイロット、チャック・イエーガー氏とも親交があったんですよ。うらやましい。

 Oさんを主人公にした小説も書きました。『ソニック・ストライカー』というお話です。

 いつかそれも、ご覧に入れたいですね。


2件のコメント

  • うぉぅ!?

    りあるファントム無頼ですねーw

    U-BOATとか映画懐かしいっすねー(遠い目
  • リアルな話を聞くと、イマジネーションが膨らみますね。
    例えばスクランブル待機のパイロットは、待ち時間に何を過ごしているのかとか、待機室のドアのはノブ式か、それともレバー式かとか、飛んでいる時に尿意を催したらどうするかとか。

    書かないことが9割だけれど、その9割が物語を支える気がしますね。

    素人作家にとっては、そこに幾らかの徒労感が伴うわけですが、プロの作家は、それを仕事でやれるんだから、羨ましいなと思います。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する