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「吉備大臣入唐物語」についての補足

 この作品を目に止めていただきありがとうございます!
 歴史的な観点からいくつか注意書きをさせていただきたいと思ったので、こちらに載せることにしました!軽くでも目に止めて頂ければ幸いです( ˊᵕˋ )

『補足説明』

・原作である「江談抄」と「吉備大臣入唐絵巻」の時代背景としては、恐らく吉備真備が二度目に入唐したものだとの推測が有力。
→しかしこちらの作品は吉備真備が阿倍仲麻呂と共に初めて入唐した時のことという設定で進めております。

・この作品は『江談抄・吉備入唐の間のこと』という段に加え、「阿倍仲麻呂が『金烏玉兎集』を持ち帰ろうとした」という場面の内容も含めて展開しております。

・上記の伝説によると阿倍仲麻呂を高楼に閉じ込めたのは楊国忠と安禄山とのこと。
→そうなるとこの作品との時間軸が合わなくなるためこちらでは李林甫と安禄山という設定にしております。

・『江談抄』では阿倍仲麻呂は餓死した後に赤鬼になったとの記述
→この作品では餓死する寸前のところで赤鬼になり、一時的に命が保たれているという設定にしております。

・「赤鬼になった阿倍仲麻呂が月光の下では人間の姿に戻れる」というのは、この作品の展開に合わせた独自の設定です。
また、『吉備大臣入唐絵巻』には吉備真備が日本に帰る場面がない(元々無かった、あるいはまだ見つかっていない)ため最終場面はオリジナルの展開となっております。

・作品内に白酒という中国の蒸留酒が出てきますが、この作品の舞台である唐の時代にはまだ無かったのではないかとの話も強いです。
ただ、このお話の展開に添えるのにぴったりなお酒であったので使わせて頂きました。

・作品内に登場する白猪真成(しらいのまなり)は、近年中国にて井真成(せいしんせい)という唐名で墓誌が発見された日本人遣唐留学生であり、その日本名の苗字は「葛井」「井上」など様々な説が出てきておりますが、ここでは「葛井」の説を採用し、この作品に時間軸を合わせて「葛井」に改名する前の姓である「白猪」という名を使わせて頂いております。

 注意書きは以上です。
 作者は中国史を専攻しているわけではないので何かと穴があるかとは思いますが、史実と歴史的資料をモデルにした一創作作品として温かい目で見て頂ければ幸いです。
 またこの作品はあくまで創作物であり、実在した人物などとは一切関わりはありません。この作品のキャラクターに不信感を抱いたとしても実在した人物は全くの別人ですので、その方を誹謗中傷するのはおやめ下さい。

 長くなりましたがここまで読んでいただきありがとうございました。引き続き本編の方をお楽しみください( ˊᵕˋ )

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