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ホームズ対李書文の翻案に寄せて

 本作品は他のシャーロック・ホームズシリーズと同様、元英国軍医局ジョン・ H・ ワトソン医学博士の残した回想録を基にしている。アーサー・コナン・ドイル卿を通じて出版されなかった理由は多々考えられるが、最大の要因は下書きしか残っていなかったことであろう。さらに本作品の原本はタイトル含め不明な部分が多く、しかも資料には中国語やドイツ語のものが含まれていたのも理由と推測される。
 
 このような背景から、本作品はワトソン博士の下書きを基に大胆に再構成して世に出す運びとなった。作品の構成としては、プロローグのみ完全に翻案者による書き下ろしとし、1章以降は他の作品と同様、ワトソン博士の一人称という体裁を取り一部に注釈を入れた。また、会話については展開の速さを重視する方針とし、通訳を介したという記述を全て省略した。このため言葉の通じない者同士が直接会話しているシーンが多々あるが、この点ご了承をいただきたく思う。

 執筆にあたり、内容はワトソン博士の下書きを可能な限り残し、意図を忠実に表現するよう心がけた。それでも文体や描写の多くが、他の作品から大きくかけ離れていると感じる方もいるかと思われる。この点、翻案者の未熟を深く謝罪する次第である。

 最後になりますが、本作の欠落部分を補うにあたり、多くの助言をいただきました。特に以下の方々には深く感謝いたします。

 赤坂パトリシアさん(ヴィクトリア朝英国史)
 mikioさん(トリック、ホームズ論)
 飯綱屋冬扇さん(清朝中国史)
 三ツ葉亮佑さん(シベリア鉄道史)

 梧桐彰 拝

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注:上記はギャグです。本来的には作品の冒頭に乗せる内容ですが、それをやると作品のとっつきが悪いのでノートへ移しました。

2件のコメント

  • ドイルの遺構を手に入れるだけでもすごいのに、英中独を訳してまとめ上げるとは。
    やはり梧桐さんは天才……。

    さすがにプロローグからシリアスなので、この前書きは移すが無難ですねw

    当時流行った銃器や建築材、鉄道などの交通に、さらには雇われ同行人の文化まで調べるとは。さぞ多くの資料に当たられたことでしょう。
    続きも楽しみに待っています!
  • 英中独ができるなら多分私今違う仕事してますねw
    これはギャグですのでご容赦くだされ。

    銃器や建築材、鉄道、同行人の文化はほとんどいろんな人からの入れ知恵なんですよ(笑)
    歴史もミステリも難しいですねえ。でもすごく勉強になりました!
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