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処女作「こんな日もある」

ヘンリー・ダーガーの「非現実の王国で」が届く明後日が待ちきれない呉那須です。

高校生の時に暇潰しに書いた作品「こんな日もある」がiPhoneのデータを整理していたら出てきたので置いておきます。拙作の「らくがき」の原案でもあります。
今読むとアレな出来ですが、人生で初めて書いた小説なので思い入れが少しはあります。
現実と非現実(現世界と心象の世界)というテーマは「舞の世界は終わらない」に通じる物がありますね。

こんな日もある
あまたやっちゃったよたかとくん。
へん、どーせまたおねしょしたとかちょっところんだだけだろ。はさみ小学校5-1教室の噂話や野球の話で盛り上がるザ休み時間風景はくりりゅっと回転してアスファルトで舗装された道へ。コンクリートの塀に囲まれた一軒家達が道を開け整列している。とにかくぼくの知らない道だ。
は?は?は?なにこれ今ギューーッンって周り回転したと思ったら、は?え?お前なんなのマジ
ごめんまたやっちゃったよ。らくがきちゃんは後ろをただぼんやりと見つめているいや、え?お前、これやったの?うん。たかとくん、後ろ…とぼくの背後を指差すから勢いよく振り返ると、のうみそ、しんぞう、えとこれは…なんだろしょうちょう?だいちょう?
へーよく知ってんじゃん、この前、理科の山田の授業でじんたいもけーみたばっかじゃん。あそうか。で?なにこれ?いや、だからまぁ、死体。わけわかんない、わたしもわかんないけどなんかいもこうやって変なとこ飛ばされて死んじゃったひとを整理してるから。僕は尻餅も付いているのに関わらず彼女は一瞬の震えさえない。だいじょうぶ、すぐおわるから。へ?こんなひもあるからだいじょうぶ。…その時また、世界が回転するような感覚がした。元の小学校5-1教室のいつもの退屈な休み時間である。ぼくはとなりの席にいたらくがきちゃんに今のなんだよと聞いたけど、へ?なにが?とがっかり冷めた返答。仕方ないと諦め、自分の机の中から理科の教科書を出す。カーンカーンカーンとチャイムが鳴る。すると担任の藤原から
「今日の5時間目の山田先生の授業は先生が行方不明のため自習になります」ひゃっはーみんな自習を喜ぶなかただ、ぼくの胸にはあの整列された一軒家に挟まれた道の死んじゃったひと??へ?ないぞうは?あれ??
 隣の席のらくがきちゃんをぼくは見れなかった。


1件のコメント

  • 応援ボタンありがとうございます。
    マイペースに更新していきますので、お時間ありましたらまたお願いします。

    よろしければ、レビューもいただけたら嬉しいです。
    ありがとうございました。
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