『ブレイブ・ラビッツ』第30話、19時から公開です。
こんかいの『ブレイブ・ラビッツ』に影響を与えた作品はと言いますと。その3で『社ロックホームズ』を紹介しましたが、探偵が居ればその対になる存在も居るわけです。そう、怪盗ですね。
『アルセーヌ・ルパン』シリーズ
お孫さんの方じゃないですよ? アルセーヌの方ですよ?
ルパンが後発の怪人20面相とかと異なるのは、自分の盗みをショーとして演出する事です。新聞で犯行予告は基本として、警察の目の前で脱獄し、ちょっと一服してから自首。なんてことも普通にやります。犯行予告もなんかユーモアがありますね。
この頃のフランスは汚職や金持ちの専横が酷く、彼らをやり込めるルパンに、民衆は喝采を送るのです(たまに市井の人も毒牙にかけますがw)
彼にとって「盗み」は利益を得るだけの行為ではありません。自分が作った「ルパン」と言う虚像をロールプレイしながら、自分がどこまでやれるか、ギリギリの「冒険」を楽しむ。それが彼の生き方。
そして、冒険譚には観客が必要です。
という訳で、アイロニーたっぷりのラビッツのスタイルは、ルパンのそれを踏襲しています(彼の方がもっと口汚かったりしますがw)。
大衆を観客に見立てるのも彼から受け継いだやり方です。ラビッツのスタンスはもっと突っ込んで人々に「警告」を与えるものですが。
主人公ユウキ・ナツメの若干躁っぽい、芝居がかった感じもルパンの影響が強いです。
そしてその心中にある葛藤と孤独感は……。おっと、こちらは本編を追いかけてみてください。
※本コラムで興味を持たれましたら、ルパンの活躍も是非読んでみて、どうぞ。私は『ルパン対ホームズ』『八点鐘』あたりがお気に入りですが、出来れば第一作『怪盗紳士ルパン』から追ってみて頂きたい。森田崇先生の漫画版もいいですぞー。