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朱色の風 あとがき

年内に終わらせるーって言って駆け足になっちゃったけど、ちゃんと終わりましたよ……良かった、いつも私レポートは提出期限1日前に提出するんですよ。今回も12/30に終わりましたね〜 レポートと同じ感覚とはw

前置きはどうでも良いわw 内容について語るね。

まず、この物語の主人公カサンについて。真面目で、前向きで、他人思いのいい子です。なのに神は「消えろ」と判決を下す……ふざけんなって思うよね。

神が消すか残すかを判断する基準は、世界にとって必要かどうかというのもありますが、権力が上手いか下手かという、性格とは全く関係ない所も入ってきます。カサンは権力が上手く使えないために消されてしまった、というのが本当の理由です。

次に友人のフォラカとタリアード。この2人は権力はどうかは分かりませんが、人から頼られることが少なかったようです。それから、「消える人の近くの人も消える」というのも関係しています。友人3人が全員消えた、という訳です。……名前の由来的に、4人いたんでしょうけど。 別の物語として書くかもしれない「アエトス、ヴルガリス、ノクターン」3人の親友も同様に消えてしまいます。書きたいねぇ……


『朱色の風』というタイトルは4班のカラーであり、建物の色である「朱色」とカサンの名前の由来である「風」から来ています。

治安維持部隊の見た目は、(異世界の物語なので明言を避けましたが)神社です。「門」というのはつまり⛩ 鳥居です。まあちょっとあの世界に合うようにデザイン変えてるけどねぇ〜 理由は目を引くから、そして神聖さを出したかったから、等です。


最後に、案外大事な礼についてのお話を。

礼は3種類を使い分けてます。

1つ目が右手を額にかざす敬礼。軍隊的な挨拶に、形式的に使われるので、治安維持部隊以外では使ってる人あんまいません。特に重い意味はなく、「おはよ」「了解」程度です。

2つ目が胸の真ん中に拳を当てる礼。1番メジャーなもので、「心を込める」「神に祈る」「本音を言う」などの真摯な気持ちを表します。食事の挨拶から死者の追悼まで、幅広く使われるものですね。

3つ目は掌を左胸に当てる礼です。これはそのまま、「命を預ける」です。これも治安維持部隊以外では滅多に使いません。部隊でも滅多に使いません。普通は入隊時にやらされるだけです。ですが、4班員は毎日のように隊長に向かってそうやってます。消えていくこの命を、最後に貴方に使って欲しい。見届けて欲しい。そういう思いから、いつの間にか始まった習慣です。それに対して、Kは2番目の礼(胸の中心に拳を当てる)で「必ずそうします」と応えているのです。


と、ここまで来て数人は「あれ、最後1番目の敬礼してなかった?」と気がつくかもしれません。

あんなに心を込めて見送りしたのに、礼がそれかよ、と思うかもしれません。


きちんと理由があるんです。

2番目の礼は「本音」の意味もありますが、その起源は「神に祈る」ことにあります。神様に、目の前の人の傷が癒えるように祈る、神様に、未来が明るいものであるように祈る。「神様」に向かってする祈り、礼、それが胸の中心に拳を当てる動作なんです。

ですからKは、今から理由もなく神に消されるカサンに向かって、神に祈るような行動を取りませんでした。例え心を込める行為でなくなっても、憎い神に「目の前の少年の未来が幸せでありますように」なんて祈ることは出来なかったんです。

その代わりに水色の目隠しを外しました。
自分の気持ちを包み隠さず(いつもは目がふさがってて表情がわかりにくいので)伝えて、カサンの顔を直で見る。それが胸に手をあてない代わりにできる、カサンとの別れの方法だったのです。

さ、ここまで読んでくださった皆様、本当にありがとうございました。

DopqəlMelt 冥刻より「朱色の風」いかがでしたか?面白いと思っていただけたら幸いです。そして、♡や☆を押して頂いたり、ひと言でいいので感想を下さると舞い上がります。

また思い付いたら短編を書きます。次は地上の話がいいかなぁ

1件のコメント

  • お疲れ様です。
    解説読んでまた作品への理解が深まった?気がします。
    作品を一番理解していらっしゃるのは作者さん自身ですね。
    敬礼ごとに使い分けがあるということに意味があるのが良かったです。Kさんがこれまで見てきた部下たちのことを思えばこそ、神は憎いのですね。しかし、あとがき下の挿絵でのKさんの素顔を見せたのには解説にあるような理由があったとは…作品とあとがきどちらも読んで良かったです。
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