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最後のオマケの作者解説です




 本日完結しました『サレタ男の門出と、シタ女の遅すぎる後悔』の、あとがきで書くほどでも無いけどネタを色々と仕込んでたので、そんな小ネタや描写の紹介です。
 コレで最後ですので、興味がありましたらどうぞ読んでみてください。





 まず1つ目は、#52と#55でタイチがイロハさんの実家を訪ねた際の描写の違いです。

#52では
>インターホンのボタンを押すと、数秒して中から「は~い」という声が聞こえて、横引きの玄関扉が開いて中からイロハさんが姿を見せた。
>僕の顔を見て驚いた表情のまま絶句して固まっているイロハさんに向かって、頭を下げた。

#55では
>家の中から「は~い」と声が聞こえてから、横引きの玄関扉が開いて、イロハさんが姿を見せた。
>イロハさんは少し髪が伸びたのか、後ろで短く1つに括ってて、いつも掛けてた見慣れた眼鏡を掛けてて、そして、1年のクリスマスに僕がプレゼントしたオレンジ色のエプロンを身に着けていた。
>あぁ
>やっぱり可愛い
>半年ぶりのイロハさん、相変わらず最高に可憐だ。

 この2つ、同じ場所で同じ様なシーンなのに、全然違うんですよね。
 #52ではイロハさんからの手紙を読んで動揺したまま訪ねたのでイロハさんの服装を気にする余裕が無くて、#55では内定合格など求婚の準備を整えてから訪ねているので、イロハさんを観察する余裕があって、その後にイロハさんのことを半年経って落ち着いたと言ってますが、それはタイチ自身にも言えること、という描写でした。

 あとオマケで、#55でイロハさんがタイチから貰ったオレンジ色のエプロンを身に着けていたのも、イロハさんが別れた後も普段から使う程タイチから貰った物を愛用している=タイチのことを嫌いになった訳じゃない、というサインでもありました。




 2つ目ですが、#56で初出勤のタイチをイロハさんが見送るシーンです。

>この日の朝、出勤する僕をイロハさんが玄関まで見送りに来てくれて、最高に眩しい笑顔で送り出してくれた。

この描写は、#14と#26に掛けてあります。

#14では
>イロハさんはそう言って、この日一番楽しそうに笑顔を僕に向けてくれた。
>眩しッ!!!
>イロハさん!笑顔が眩しいよ!!!
中略
>きっと僕は、この人とこの先、長い付き合いになると思う。
>そんな確信めいたものを感じた。

#26では
>僕も、今日のことは一生忘れない。
>笑顔のイロハさんと、この先もずっと一緒なんだ。
>今度こそ、ずっと。


 と、#14での予感が当たり、#26での決意を実現したというのをイロハさんの笑顔で繋げたくて、#56のイロハさん最後の登場シーンで『最高に眩しい笑顔で』という描写にしました。






 3つ目ですが、#54と#55のチカとタイチが気持ちを引き締めたシーンです。

#54のチカは

>でも

>それはしちゃダメだ。
>私にはその資格が無い。
>そんなことしても、タイチに幸せは来ない。
>私じゃタイチを幸せには出来ない。

>だから、今の私に出来ることは


#55のタイチは

>けど

>僕は腰抜けじゃないからな。
>もう逃げたりしないんだからな。
>見てろよ、メスゴリラ。


 二人のセリフは同じという訳ではありませんが、意識して似せました。
 空気というか雰囲気は同じだと感じて頂ければと思うシーンで、これから勝負に出る為に意気込む際、この主人公二人はどこか似ているということでした。

 ついでに、#5のタイチからの手紙を受け取ったチカと、#52でイロハさんからの手紙を受け取ったタイチの反応も意識して似せてます。





 あと他にも細かいのが色々あったと思うんですけど、書いた自分でも思い出せないのでこれにて最後の作者解説は終わりにします。

 連載中に解説を何度も入れるというのは今回が初めての試みでして、匙加減とかタイミングとか色々勉強になりました。
 約2カ月の間、作品の外でもお付き合い頂きまして、ありがとうございました。







1件のコメント

  • 手紙の話は読んでいて面白かったです。
     チカへの手紙はタイチ視点に立ってザマァな感じで読んで、イロハさんからの手紙を読んだ時はタイチが一方的に突きつけられて凄いモヤっとした感情が込み上げて来たので、チカがタイチの手紙を読んだ時の感情もこんなのかなぁと想像して面白かったです。
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