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執筆時のドッペルゲンガー

100万人近い登録者がカクヨムにはいるんですね。活動しているのは数割でしょうが、すごい数です。
そんな中で、♡や星やレビューを本当にありがとうございます……!
もうちょっと作品一覧が見やすくなるといいのになぁ。もっとコンパクトに全作品が一覧で見れるように。


久しぶりに大好きなジャンルで「経立」を書きました。柳田邦男「遠野物語」がモチーフです。
もともと「経立」や「白の境に舞う金烏。(。が要ります)」等が一番得意とする作品なんです。
一番好きで一番得意なのに、一番うけないんですけれど。
ニッチな部門ではあるのでそれはいいんですが、たまに書くとやっぱり水が合うのか書いていて楽しいです。


むかし松任谷由美さんがラジオ番組で、
「歌詞を書いている間は1畳くらいの(ちょっと曖昧)極小の部屋に閉じこもって作ってる。書き上げた後にもその小部屋には、一字一句に悩んでいた生みの苦しみのわたしの怨念が宿ってる気がする」
みたいなことを仰っておられたのですが、あれ分かります。
書く時って誰しもが過集中してキリキリな感じになるじゃないですか。あの状態って、ふだんの精神状態とはかなり乖離してますもんね。
いやそんな異様なことにはならないよ、平常心で書いてますよって方もいるかもしれませんが。
ジャンル的に今回みたいな作品だと、没入して書き上げて、公開して、やれやれと離席した後で、部屋から離れても座っていた場所にドッペルゲンガーみたいに自分の分身がずっといるような気がするのです。ユーミンが云うように。
こっちの方が「遠野物語」かもしれない。


思ったように進まない。
うまく書けない。
この後の展開に悩んでる。

皆さんの近況ノートを読むだけでも、誰もが悩んだり迷ったりしながら、いろんな想いで書いていますよね。
だから少し前にあった、なろう系の大手さんに星一ついれて小莫迦にするようなコメントを残す人を見かけると、カクヨム利用者のほぼ99%が不愉快になってたと想う。
こいつなんなの♡ と。
99%の人が「嫌な奴」って想いますよねあれ♡
でも書きこんだ人は1ミリたりとも外からどう映るかなんか考えたこともなくて、
「はい書いたバカじゃなくてこっちに注目して!」
ってもしかして上機嫌だったりするんでしょうか?♡


あ、♡ですか?
漫画「小悪魔教師サイコ」の真似をしてみました。
ドラマにもなってましたよね。
同じ原作をもとに二人の漫画家さんが描いています。ストーリーはまったく同じなので巨乳のおねえさんの外観を見比べて、絵のお好みで。
わたしは先行していた合田蛍冬さんの絵のほうが好きです。後発のほうはクールな美女です。
合田蛍冬さんの方は、外観ほんわかしてかわいいのに世界の凶悪犯罪者列伝に載りそうなガチキチっぷりのギャップがよいです。遠慮なくスプラッタ―なので苦手な人は読んじゃだめです。
「サイコパスなんだけど実はいい人」とかじゃないんですよ。
純粋にサイコなんです。

それで『経立(ふったち。読めない…)』を書くにあたって公開予定時刻を設定して追い込んでいたのですが、残り20分くらいの時にやっぱり人名が必要だなってなって、じゃあちょうど二人の漫画家さんを見比べて細部の違いを追っていた「小悪魔教師サイコ」の先行漫画家「合田蛍冬」の合田にしちゃえと想ったら、
 合田=高村薫の警察小説の主人公。登山やってた。
ということを想い出して、なんぼなんでもと慌てて取り消して、漫画のヒロインの苗字『葛西』を使いました。
こちらはこちらで、スキージャンパーのレジェンド葛西紀明さん=山 のイメージもあるしいいかなって。
珍しい名前の決め方をしたので書いてみました。


漫画といえばずーっと気になっているカクヨム作品がありまして。
ごめんね、それ、元は漫画だよね。
勝手にノベライズにして「自作の小説」として原作も明記せずに連載してるよね。

わたし、あなたが文章におこしている元のマイナーな漫画を読んで知ってるんだ~。

という方もいるのですが、どうも十代の方のようなので、ノリノリで書いてますし、脳内ではすでに自作になってると想うし、気になりますが見なかったことにしています。


100万人にちかいユーザーがいてもカクヨムは比較的、社会人経験のある大人も多いという居心地のよさがあるので、
「老いも若きもどんなに拙い作品でも精一杯その時できる努力でみんな書いている」
このことを忘れないようにしたいものです。

10件のコメント

  • こんにちは。
    先日朝吹さまの作品でコメントのお返事をくれてありがとうございまささた。
    最近の自分自身の執筆に納得のいく事に滞りがあって色々考えていた時に、そちらからいただいた文面を読んでストンと心に溜まっていた異物が取れた感じがしました。
    ドッペルゲンガー。確かに私も似たように、執筆した後の面影が残っているっていうあの感覚の影が重なる現象があります。誰しも持っているものなのでしょうかね。
    だから物書きをする事を続けていきたい信念が体の奥底に刷り込まれているのかもしれません。
    長文失礼しました。
  • 「遠野物語」がモチーフなんて、素晴らしい。僕も大学時代にこの魅力的な小説をベースに作品を描いた覚えがあります。
  • 神崎さん

    自主企画があったので書いてみたのです。
    「遠野物語」に馴染みがあるのなら神崎さんもぜひぜひ。学生時代の作品のリメイクでもいいですし。
    これこれ。
    https://kakuyomu.jp/user_events/16817330650969957813
  • 深山花楓さん

    こんにちは。
    お仕事復帰の調子はいかがでしょうか。同じ病の方をもう一名、偶然にもカクヨム内で知っております。
    創作者ならかかりがちの症状なのかも知れないな~なんて勝手に想っておりました。

    極論を云うと、読者の要望で軌道修正しているとキリがないのですよね。とくに恋愛ジャンルだと「こんなシチュエーション希望」「この展開は厭だった」など色々書き込まれてしまうようです。
    皆が皆好き勝手なことを云うので、その都度合わせていたら何を書いているのか分からなくなってしまいそうです。

    読者さまはありがたいものですが、書き手としては、
    「好きなものを好きなように書きます。お好きなら読んで下さい」
    これが一番「誠実」なのではないでしょうか。
  • 経立、「ふったち」と読むのですね。わからなかったです。

    漫画を勝手にノベライズにして「自作の小説」として原作も明記せずに連載している……
    そんなツワモノがいるんですね。
    数年後とかに見直して恥ずかしい思いをするのは自分なのに。恐ろしい限りです(笑)
  • スミヲさん

    「遠野物語」だけの特殊な読み方ではないかと~。経立。

    ノベライズは元のマイナー漫画を知っている人なら誰にでもすぐに分かる感じです。そのまんますぎて、くすっと笑ってしまいました。
    この漫画をテキストにしたら面白いのでは? と想いついたのでしょうね。とてもお若い方のようです。
    商業化したら炎上すること間違いなしなのでしょうが、そんなことにはなりそうもありませんし、傍観です。
  • この度は素敵なレビューをありがとうございました!メチャ嬉しいです!!

    たくさんの作品をお書きなんですね、すごいです。また拝読させていただきます!
  • おしやべりさん

    とんでもありません、こちらこそ、いろんな自主企画に投げてみても埋もれることが続いていたお気に入りの作品を読んで下さって本当にありがとうございました。テンションあがっちゃいました。
    ああいう作品大好きなんですよ~。

    わたしの作品は固定ジャンルを持っていないので色々あってびっくりされるかもしれません(^^;)
    執筆の合間に息抜き的に、また遊びに来て下さい♡
  • 経立、読んできました。
    前作よりも凄い。言葉にならない。
    何だろう…魔力に近い甘い毒みたいな。
    こっちで呟いてゴメンナサイ。
    白の境に舞う金烏。も読んできます。

    好きなものを好きなように、いいですね。
    そこまで割り切れたらいいのに。
    なんか怖くって。
    突き抜けたものを書けたらいいのでしょうが
    今はそこまでの力もなく。ビビリです。
    あ。マークスの山を最近読んだのです。
    私の現実とリンクするカクヨムと朝吹さん…!
  • 三寿木春さん

    マークスの山いいですよね……! 高村薫は修正を入れ続ける人なので、初版と重版ではあちこち変わってしまっているのがちょっと。
    読者としては最初に読んだものに引きずられるので、別の版をみると印象強かった台詞や場面がなかったりして違和感を覚えることがあります。

    2010年のドラマでは、合田雄一郎を川上隆也、水沢裕之を高良健吾、高木真知子を戸田菜穂が演じていて、全員似合い過ぎてました。
    川上隆也さんか~と想いましたが、見慣れてくるふしぎ。(あ、義兄はイメージが大幅に違ってました)
    とにかく高良さんと戸田さんは素晴らしかったです。
    もしまた再ドラマ化したら誰が誰を演じるのでしょうね~。

    現実とカクヨムさんがリンクすること、ありますあります!
    この前も千鶴か千弦で迷っていて千弦にしたら、直近で知り合ったユーザーさんにいた、とか。
    千鶴の方も何気なく読み始めた他の方の小説のヒロインの名だった、とか。
    サザエさんって書いたら、他の方の最新作にもサザエさんが出ていたり、
    いい曲~と聴いていたら、その曲名が他の方の作品に出てきたり。
    それが限られた範囲で数日も開けずに起こるんです。
    とても不思議です。

    三寿木さんの作品には独特の魅力があるので、そのまま好きなものを書くほうが固定ファンがついてくれる方のように想えます。
    内面から何かを出したい人もいれば、空想力逞しくてそちらから取ってくる人もいて、いろんな書き手さんがいて面白いです。
    なろう系や恋愛ものの連載だと読者が先の展開についての要望をいろいろと出しちゃうみたいです。それをぽいぽい拾っていって軌道修正していく書き手さんはアレンジ力が高いのでしょう。
    そうでないのなら、下手でもいいから自分が好きなものを書く方がいいんじゃないかな~?と個人的には想っています。

    書いた自分がその作品を好きならそれでよし。わたしが目指す着地点は今のところここなんですが、
    「万人に愛される作品にしたい」「読者と一緒に創り上げていきたい」なども立派な動機なので、要はブレなければいいのかな? と考えています。
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