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悪夢

※半覚醒状態で書いておりますのでお目汚し注意です


あたしはいわゆる、怖い夢というものを
見なくなった

子どものころ、怖い夢ばかり見るあたしに、おばあちゃんはおまじないを与えてくれた。

枕の下にナイフを忍ばせておけば、悪夢を断ち切ってくれると

その効果は、効くこともあれば利かないこともあった

夢はほぼ毎日見た。

わたしにとって眠ることは楽しいことでもあり恐怖でもあった。

怖い夢ばかり見る替わりに、底抜けに楽しい夢を見ることもある。
頻度は少ない、けどどんな映画よりも楽しい物語

感動のあまり、眠りながら涙を流していることも多かった。

夢の中は感情のリミッターが働いていない。
楽しいこと、感動することも起きているときの何倍もの心の鳴動となってわたしを楽しませてくれた。

悪夢に立ち向かい、楽しさを手にするため、わたしは夢を操る術を、欲した。

そして、毎日の夢の鍛練の成果で
わたしの夢は8割以上が自覚夢だ

夢の中では、あたしは無敵だ。
物語の進行は操れないが、行動はある程度制御できる。
不思議な能力も空を飛ぶことも、ある程度自由だ。

いつの頃からか、眠ることは無上の喜びとなった。
怖い夢も、夢の中で撃退できるようになった。

思えば、性の目覚めも夢の中だったような気がする。

いつしか怖い夢は見なくなった。

だが、いつの頃からか……

今度は、理不尽で姑息で自己顕示欲が強くて、あたしの尊厳を踏みにじる……

許せない奴が、夢にまで出てくるようになった

こいつらは、夢の中でさえあたしを苛む
下衆で屁理屈で、自分勝手な持論を撒き散らし
あたしの夢の中を汚し犯していく

こいつらは、あたしの夢の中でさえ倒すことができなかった。

どんなに抵抗しようと、汚い感情を投げつけてくることを止められない

物理攻撃にも動じない。

そして、受ける感情は覚醒時の数倍だ

……今夜もまた現れた

あたしが、頭の中のこいつらを撃退できるようになるのは、いつのことだろう……

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