先日、投稿している短編小説にとある作者様からレビューを頂いた。
そのレビューから作者様のページに飛んだところ、投稿しているのは20万文字越えの完結済長編小説一つだけ。しかも7月3日から投稿しているにも関わらず★もレビューも全くついていない。あらすじに惹かれて読み始めたものの、正直、全く期待していなかった。作者様には大変失礼な話になってしまうが、全部読み切ることはなく、どこかで力尽きるだろうなと読み始める前から算段を立てていた。
めちゃくちゃ面白かった。
20万文字を一気に読み切った。ストーリーは一つの大きな起承転結で成り立っており、その中に小さな起承転結があまりないので、人によっては「承」パートに中だるみを感じてしまうのだろうけど、人物描写が達者で魅力的だったので僕はするりと読めた。こんな面白い作品に★もレビューもついてないとか信じられないと、僕は宣伝がてら早速レビューを投稿した。本近況ノートも8割方その作品の宣伝のために書いているようなものだ。作品は最後に紹介したいと思う。
で、レビューを投稿した後、もし作者様からレビューを貰わなかったらこの作品に出会えただろうかと考えた。
その作者様は7月3日にカクヨムに登録しているが、フォロー数は0人、作品レビュー数は2つ(そのうちの1つが僕)。作品についてはフォロワーが2人(そのうち1人が僕)で、タグは「男子高生」「友情」「青春」「切ない」。タイトルや紹介分についても特に検索性の高そうなワードは無く、強いて言うなら「男子校」がBL好きに引っかかれるかもしれない程度。ただそういう引っかけ方をした人は作品を読まないだろう。確かに作中の登場人物はほぼ男子校に通う男子高校生であるが、別にBL要素はない。
無理だ。どう頑張ったって作者様が僕の作品にレビューを残さなかった場合、僕はこの作品に出会えていない。導火線が細すぎる。そう考えた時、僕は無性に「勿体ないなあ」と思ったのである。きっとこういう作品はまだまだカクヨムの海に沈んでいるのだろうなと考え、切なくなったのである。
僕が出来ることは紹介しかない。そもそも僕自身人づきあいが良い方ではなく、別に宣伝したところで大した助力にもなりはしないのだろうけど、やらないよりはマシなはずだ。あまり多読な方ではないが、運命のように繋がった縁を大切に、自分が読んで面白いと思った作品には出来る限りレビューを残そうと改めて思った次第である。
ちなみに件の作品はこちら。青春SF(すこしふしぎ)系現代小説です。同じ一人称を使用している人物間での視点変更がちょくちょく起こるため混乱する面があり、上記でも述べている通り人によっては「承」パートに冗長さを感じたりもするかもしれませんが、それを越えるだけの価値が「転」と「結」にあると僕は思います。
「本当と変の話」 著:前田 尚
https://kakuyomu.jp/works/1177354054881327064
なお感性の問題なので、読んだけど面白くなかったぞ的な苦情は受け付けません。悪しからず。