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【完結】「お前はすでに死んでいる。」あとがき&色々レビュ返

 約一週間の短期集中連載で掲載した「お前はすでに死んでいる。」が完結しました。例のよって例のごとく、あとがきとして裏話を話したいと思います。

 この作品を思いついたのは、友人が所属する劇団の演劇を見に行った時です。

 小劇団が小劇場で行うこじんまりとしたものです。舞台は小さな旅館宿。死んでしまった婚約者を忘れられない男を中心に、その妻や親戚や旅館客たちが繰り広げるドタバタ現代劇。その劇の中で死んでしまった婚約者が幽霊としてちらちら登場するのですが、当たり前だけど足が無かったりすることもなく普通に生身なんですね。その時、ふと「まるで生きているようにしか見えない人間が集まって誰が死んでいるかを議論する話とか面白くないか?」と思い至り、友人の劇を見に来ているのに自分の創作に耽っていました。(人として最低)

 もっとも、そこで考えた話は今の話とはだいぶ違います。それがいつこの形になったかと言うと……この話を書きはじめてからです。いや、マジで。明確に決まっていたのは「ペンションに五人の客が集まる」「誰が死んでいるかを議論する」「最後のオチ」だけ。その筋を頼りに、脳内にぼんやり漂っている材料を使って話を組み上げた結果、ああなりました。なので途中途中の伏線回収は即興で作っており、「ここはこういう展開にしたいから前のあの部分にこういう伏線を仕込もう」と話を行ったり来たりしながら完成させました。

 とまあ感性で書いた作品なので、ミステリーの体裁を取っておきながらミステリ的エクスキューズが足りていなかったり、要所要所に引き出しの少なさが見える表現や展開が伺えたり、練り込み不足を感じる点が結構あったりします。ただ、決して嫌いな話ではありません。いちいち小難しく考えがちでエンタメに徹するのが苦手な自分としては、かなり肩の力を抜いて楽しんで書けたのではないかと思います。お読みになられた皆様が同じように楽しめたのならば、僕にとって大きな喜びです。

 さて次回作ですが、最近やたら忙しいので少し休みます。だけどたぶん少しです。投稿再開したら近況ノートで報告いたしますので、よろしくお願いいたします。


<全く関係のない自慢その1>
 カノホモがついに「BL」検索でトップだった「じゃがいもBL」を抜き去りました。現在「BL」で検索して人気順に並べ替えた時、一番上に来る作品は僕の「彼女が好きなものはホモであって僕ではない」です。ちなみに「BL」検索で出てくるTOP5の作品の作者は五人中三人が男性です。どうなってんだカクヨム。

<全く関係のない自慢その2>
 カノホモと小笠原先輩にOfficialアカウントから★を貰いました(カノホモは★3)。やったね。なんか新カテゴリにぶー垂れてる近況ノートを割と最近投稿したばっかりだったのにすいません。でもやっぱり「男主人公=ラブコメ」の図式はおかしいと思います。あと公式ブログの「公平を期すために恋愛カテゴリのランキング掲載は12/8(木)から」というロジックの意味がさっぱり分からないのですがどういうことなんでしょう。トップページ出来ていないだけでは?(積極的に地雷を踏みに行くスタイル)


-----------(カノホモへのレビュ返)------------------------------------------------

 加科タオ 様

 拙作をとても気に入って頂けたようで何よりです。どこにも悪い人なんていない。ただみんな弱さを抱えていて、それが悪い方向に出ることもあって、だけどめげずに立ち向かえばいつかは分かりあえる。綺麗事ではありますがそういう世の中になって欲しいと願います。


 千松 様

 面白い(Interesting!)PR文ですね。そういう反応を狙ってこういうタイトルにしている面があるので「まさか泣いてしまうとは」という感想にはかなり満足しました。「騙された」という側面が強く出なくて良かったです。


-----------(僕ぼくへのレビュ返)------------------------------------------------

 伊藤愛夏 様

 新しい話をアップする度に伊藤様から応援ボタンが押されていたことは「僕ぼく」の掲載を続ける上でかなり励みになりました。ありがとうございました。
 ちなみに本作は完成済みのものを推敲してアップしていくスタイルで連載していたのですが、途中で伊藤様からレビューを頂いたことで話を変えた部分があります。実は9-4のアイツは当初の予定では出て来ませんでした(出せること自体が頭にありませんでした)。伊藤様のおかげで気づきを得ることが出来、話がより綺麗に締まったと思います。


 前田 尚 様

 まず何より、追いかけて頂いていたことにびっくりしました。ありがとうございます。文体やら伏線やら含めて色々な意味で複雑な話だったとは思いますが、その複雑さをするりと胸に忍び込ませることの出来る力が拙作にあったことを光栄に思います。


-----------(小笠原先輩へのレビュ返)------------------------------------------------

 杉浦 遊季 様

 雌豚音頭はわざわざ行開けしていることからも分かるように僕の中のハイライトです。頭にこびりついたのであれば書いた甲斐がありました。ぶっとんだ先輩が余命ものの常識をぶっ壊す話。セオリーを打ち破ることが必ずいい方向に行くとは限りませんが、プラスの印象を残せたようで良かったです。


 関川 二尋 様

 小笠原先輩がたまに漏らす本音はやっぱりどうしようもないぐらいに本音で、決して軽く見ていいものではありません。全体的に軽い雰囲気の中でそれをどう表現するかは大きな課題だったので関川様にそこをお褒め頂き、とても嬉しかったです。

3件のコメント

  • こんばんは。
    最新作、とても楽しく拝読しました。あまりにも夢中に読み進めましたが真実が見えたときの失速感が、いい意味でたまりませんでした。

    僕ぼくでお送りしたレビューでお話が変わったとおっしゃっていて、ものすごくびっくりしているのですが、最後まで素敵な作品を拝読させていただいて本当に嬉しく思っています。

    また読ませていただけるときがくるのを楽しみにしています。
  • 演劇っぽいなと思ったらほんとに演劇だった! いやなるほど納得であります。世の演劇が須らくこういう話だったらなぁ、と思うんですけどね。
  •  伊藤愛夏 様

     お読みいただきありがとうございます。発想元が演劇なんでやっぱり緩急が重要なんですね。特に幕切れを印象的にするためには、なんというかこう、「夏休みだけ遊びに来た息子夫婦が全員帰った後のおじいちゃんおばあちゃんの家」みたいな雰囲気が欲しくて、それを出せるよう流れと文章に気を配りました
     レビューで話が変わったのはガチです。元々、本当にあそこでアイツを出す発想が全く無かったのですが、レビュー見て思いつきました。作中で一番消化不良で終わってしまっていたキャラなので、かなりプラスになったと思います。その節はどうもありがとうございました


     雅島貢 様

     近況ノートでは平等に紳士を貫こうと思っているのですが思った以上に「様」をつけるのに抵抗を覚えました。ぞわっと来た
     それはさておき、どうやらテーマ先行型の演劇を見たらしいですね。ぶっちゃけその手のタイプは僕も苦手です。というか、楽しむのに受け手側の努力がいるタイプの創作物が苦手です。こっちは客なんだから楽しませろよという唯我独尊スタイル
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