某ラノベが、「別の小説と一部本文が大体一致」したために回収されたようですね
もっとも、それ自体はすでに決着がついており、その決着の内容も個人感では順当で、それ自体はなにも言うことはなくはあります
ただ、この流れでちまたに「じゃあ、どこまでが盗用と判断されてしまうのか」とか「Web系小説はどれも似た内容なのは問題ないのか」とかみたいな発言が色々とあったりしたので、その辺り個人的に色々見聞きした上での見解を、覚え書き程度に書いておこうかと思いまして
まず「パクりか否か」問題は「法的な解釈」と「道義的な解釈」の2つがあって、これを切り分ける必要があるかとは思います
まず法的な解釈ですが、自分が調べる限りキモになるのは「『表現』に創作性があるか?」というあたりのようで
この『表現』というのがポイントで、(一部例外があるものの)『物語のアイデア』などには基本著作権は発生しないようなのです
つまり、小説でもなんでも『展開』自体には著作権はなく、『表現の一致さえなければ』内容や流れ自体を完コピっても著作権的に問題はないことになります。あくまでも法的には
これを今回の話に照らし合わせると、出版社側で「元と思われる文章とその表現によって喚起されるイメージ」に高い類似性があると判断され、今回の対応になったんだろうと
また、テンプレ展開がちまたにあふれている状況に関しては、テンプレ展開はあくまで『アイデア』でしかないので、そこに著作権的な制限は生じないということです
そして「道義的な解釈」ですが、やはり「他人が血反吐を吐いて考えたストーリーをなんの工夫もなくそのまま完コピ」というのは、著作権的に問題なくても印象が悪いと思います
それに、全部完コピすれば結末も同じになるわけで、それは読んでる側として、基本つまらない物になるんだろうと
ただ、例えば『ストーリーは既存の作品のものをそのまま使ってるけど、表現としてそれがパロディーになっている』などは世間でも許されているわけで、そういう作品はいたるところに見られると思います
パロディーでなくても、ある物語に対して作者が独自の見解を加えているというのもわりかし受け入れられているんじゃないでしょうか
要するに、『安易に真似ている(ように見える)から』問題なのだろうと。そこに独自の解釈を(かなり苦労して)入れている様子が内容からうかがえるのなら、それは作品として十分受け入れられるのではないでしょうか