「足跡 思い出」を含む小説

作者の実話を元に、少し脚色しながら書いていきます。過去のエピソードが尽きたら完結になるので、最後までお付き合いください。

この国には階級がある。最下層に位置するベースは特別で、当人の記憶と引き換えに迎えられる「選択可能な」居場所だった。そんなベースに身を寄せる人々を見守る役人、護英。いつも通りパトロ…

数年ぶりに両親の住む田舎に帰省した啓治は、そこで行方不明だった少女が見つかったと知る。 その少女は啓治と同じ学校に通う同級生だった。しかし、啓治にはその少女にまつわる記憶がない。…

＜夏の日の扉＞ 　向咲日葵（こうさき　はるき）は、未来の記憶を夢に見た。 　立派な医学博士になっていた都合の良い夢を、受験に追いつめられた妄想と、笑おうとした。 　だがその記憶の…

その手紙によると、俺は智津留と由香里を殺したらしい。 彼女たちはこの掌の上で、ちゃんと生きているのに。 タチの悪いいたずらだけど、でも、２人を繋ぐ人なんていないはずなのに。 だか…

「ねぇルルナ、これは何ぁに？」 「いわゆる”ウキ”ですよ、サーシア。」 「”ウキ”？」 「知りませんか？解説サイトですよ。」 「知りませんわね。」 「そう言えばガラケーでした…

いつかくる別れの予感が、現実になったとき、ぼくはどうしていられると、あの頃想像できただろうか。

　お父さんは、いつだって仕事ばかりだ。帰ってきてもご飯は食べないし、朝起きたらその日の分のお金だけが置いてある。ああ、そうか。きっとお父さんはわたしのことなんてどうだっていいんだ…

U.C.0093。 ハマーン・カーン率いるネオ・ジオン軍の台頭とその鎮圧から５年後、宇宙は一時の平穏を取り戻していた。 ヴィーヴァー・ハミル。４６歳。 彼はコロニーサイド３の２１…