「九泉伝」を含む小説

未来の王妃の座を約束された少女・葛斎《かつさい》は軟禁生活に飽和し化外の地へ飛び出す。そこで北の一族の美しい娘・何梅《カバイ》と出会う。何梅もまた、将来は一族の王となりうる少…

祝福をもたらす子として生まれた赤髪の女はすべからく王の妻となった。しかし水の枯渇により一族に未曾有の危機が襲う。大飢饉と凄惨な争いが続き、女は皆の期待を一心に受けながらも救い…

北に棲まう狩猟一族・角族の新たな当主となった韃拓《ダッタク》はかつて結ばれた水と石の同盟を更新する為、相棒の瑜順《ユジュン》や仲間たちと共に使節団として泉国・一泉国へ旅に出る…

泉の国に生まれ、何不自由なく暮らしてきた少年はすべてを決められた将来と愛情を交わせない家族に辟易し日々新たな人生を見つけたいと望んでいた。 そんな折、火事から逃げる途中で攫…

一族の大名家に生まれた天真爛漫な少女･天波《てんは》は十六歳という若さながら城の重臣に任命されていた。しかし掟やしがらみに不満を持ち出仕をさぼる始末で叱られる日々を送っていた…

四泉国で将軍を務める瓉明《さんめい》は隣国・五泉国に毎年のように演習指導へ招かれている。今年も出向いたが、いつもと違い激しく負傷した兵たちの不可解な様子に訝るばかり。そして予…

世界の裂け目、西の最漄 《さいはて》に雛がいた。 生まれもった自らの能力を制御できず、王の子としての宿命を厭い倦怠の日々を過ごしていたが、ある日砂の浜辺で美しいものを拾う。…

「不羈なる我が一族よ、闘え。己が手で愛する者たちを守り抜け」 人々に天として崇められる『黎泉《れいせん》』により与えられた泉を礎として九つの国が並び立つ大泉地。その一つ、…