「嘘恋」を含む小説

樟葉　倫(くすばりん)は小さい頃から虐待を受けてきた。だから彼には愛がわからない。 そんな彼が暖かい人たちとの出会いで冷え切った心を溶かしていく。 そんな彼のことを好きに…

雨の音のリズムが鼓動のように感じられるのは、傘の下が、ふたりだけの世界だからだと思います。 体温が、とても近いのです。 互いが生きていると実感できるほどに、呼吸による肺の収縮と皮…

中学の頃、いつも仲良く話をしていた女の子に僕は恋をした。 だけど告白することはできなかった。 そして時は流れて、大人になって彼女と再会した。 そこで僕は、当時のことを彼女に確かめ…

貴方は私に月が綺麗ですねというけれど

この学校には四天王が存在する。それぞれにファンクラブが存在するほどの人気で男子の一部には推しがいる。 青春、特に恋愛、を信じない男子高校生、一ノ瀬和也（いちのせかずや）はゆうゆ…

『社内恋愛狂想曲』番外編。 伊藤 志岐の生い立ちと葉月に出会うまで、葉月との恋の始まり、そして結婚してから３か月半が経った二人の新婚生活と、挙式を終えた日に届いた手紙から志岐が…

父からの暴力に苦しむ相澤 雛(あいざわ ひな)はある夜、後先など考える余力もないまま家を飛び出し、行く当てもなく街中をさまよう。 その中で出会ったのは、どこか影のある雰囲気の女性…

数年前に一方的に別れを告げられた女の妹から、誠司は、ある日、電話を受ける。 「姉が亡くなりました」 それを聞いても大した感慨を持たない誠司に、彼女は葬儀に来るようにと言う。 そん…

4月1日。世間はエイプリルフールだが、人付き合いの少ない俺にとってはただの365日中の1日だ。 学校は休みだし、家にいても暇なので桜を撮ろうとカメラを持って外に出た。 公園で…

　――妹が死んで、私も死んだ。 　高校時代に好きだった彼と再会し付き合いだした私達は、二年間の交際を経て、ついに入籍することになった。でも、そのためには私は蘇生の儀式を終えなけ…

角川ビーンズ文庫　2017年8月1日発売！ 著：あさば深雪 イラスト：美麻りん 定価：本体580円＋税 ISBNコード：978-4-04-105972-2 地味な私・テマリ…

僕は一年前妻の由実を亡くした。 ＳＮＳの情報から、死者の疑似人格を作るソフトウェアの存在を僕は知った。 それが偽物であることを十二分に承知してから、僕はちょっとだけそれで遊び始…

彼氏のいない寂しさをSNSで紛らわす女。 嘘のプロフィールで塗り固めた彼女に届いた一通のメッセージが、彼女を変えていく——

それぞれにときめき、 それぞれが辛く、 それぞれが偽り。 それでも読んだあとはきっと思う。 「 誰も悪くない 」 高校生２年生の花澤 柚香( はなさわ ゆずか …